退院の日(2019年12月27日)

朝に診察をして、異常なく退院の許可が出た。

途中入院中の産婦さんが診察室に来て、、

「今からお産になるんやな」と思いながら・・・

またふと、切ない思いになった。

助産院の先生たちも来てくれて、赤ちゃんを見てくれた。

「めちゃきれいに出てきてくれたんやな。よかったな。よう頑張ったな。

MAKKOも、無理しなや。」

先生たちの一言一言が、とても気持ちの支えになった。

自分は助産師だけど、改めて、助産師という存在のありがたさ、寄り添う姿勢の根源を感じた。

そして、夫が迎えに来てくれて、先生たちが夫にこう言った。

「しっかり。ちゃんと支えたってや。」

そう言って、夫の背中をバシッと叩いて、喝を入れてくれた。

どれだけ響いているかわからないけど、自分ではできないことをしてくれて、とてもありがたかった。

帰り途中、火葬場の手続きもして帰宅。

すると、待ってましたかのように、子供たちの甘えの嵐!

みんな一斉に抱きしめた。

夫とは、子供たちが希望すれば、赤ちゃんを見せようということになっていた。

子供たちには「赤ちゃんは病気で亡くなった」ことにしていた。

また嘘をついてしまった。心苦しい気持ちだったけど、真実を話すにはまだ時間が必要だった。

子供たちは「赤ちゃん死んじゃったん?赤ちゃん見たい!」と言った。

そして恐る恐る見せた瞬間、子供たちからは、予想外の言葉が・・・

「かわいいね。小さいね。」

リアルな胎児が、子供たちにとって衝撃を与えてしまうんじゃないかと心配していたけど、違った。

子供たちは子供たちなりに、赤ちゃんを受け止めてくれた。

「抱っこする?」

聞いていいものか悩んだけど、聞いてみた。すると、

「抱っこしたい!」

と言って、一人ひとり、抱っこしてもらった。子供たちは優しく抱っこしてくれた。

長女はやっぱり9歳でわかる年齢だからか、抱っこしながらしくしく泣いた。

「なんで死んじゃったん。悲しいよ。でもお空でおじいちゃんが一緒に遊んでくれてるかな。」

その肩を抱いて、また私も泣いてしまった・・・。

そのあと、折り紙で兜を作ってくれて、棺の中の赤ちゃんの頭にかぶせた。

花やハートなども折り紙で作ってくれて、棺の周りに飾った。

年末でもあり、火葬場も混んでいて、火葬は12月29日となった。

丸1日だけ、一緒に家で過ごせるね。

そう言って、1日だけ、家族での時間を過ごした。

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