そして、12月26日、この日は偶然にも長男の誕生日。
重なってほしくなかったけど、重なってしまった。
朝に夫からの連絡があったけど、出なかった。
LINEで
「午前中仕事の合間に病院に行くから。
昼からはどうしても調整できないから、お母さんに連絡した」
と入った。
朝、診察で20本の棒を抜き、陣痛をつける膣錠が入れられた。
急激に進む可能性もあり、経産婦でもある私は、そのまま分娩室にいることになった。
11時ごろ、夫が来た。
ガウンを着て、私のそばに来た。
「ごめんな。」
そう言って、腰を擦ってくれた。
私はいろんな思いがありながらも、生理痛のような波に耐えながら、
来てくれた安心感と、擦ってくれる心地良さを感じていた。
お昼ご飯が出て、少し食べていると、母が来てくれた。
「また連絡してな」
と言って夫は仕事に行き、母が代わりに付き添ってくれた。
母と話しながらも、2錠目が入ってからだんだん痛みが強くなり、母には一旦退室してもらい、
助産師さんに腰を擦ってもらいながら、呼吸を整えていった。
13時から14時半までの間、陣痛の波が何度も押し寄せて、タオルを口に入れながら、
「痛いよー、痛いー」と叫んでいた。
体をどうもっていっていいのかわからない。
どの体制になっても痛い。
いきみたいけど、いきめない。
「ごめんね。ごめんね。
無理やり出して、本当にごめんね。ごめんね。」
そう思いながら、どうしようもない痛みが押し寄せてきて、
もう無理!!って思った瞬間、
何かが出てきた。
赤ちゃんを包む胎胞が出てきて、少し痛みが楽になった。
14:38
ゆっくりと赤ちゃんが出てきた。
何とも言いようのない、安堵感と、悲しみが襲ってきた。
助産師さんに赤ちゃんを抱っこさせてもらった。
あったかかった・・・
一気に涙が出てきた。
「ごめんね、ごめんね。」
母も見たいといってくれて、分娩室に入ってくれた。一緒に抱っこしてくれた。
「きれいな顔してるね。
ごめんね。ごめんね。」
母も泣いた。
処置が終わり、部屋に戻った。
ちょっと休んでいると、助産院の先生たちも来てくれた。
一緒に泣いてくれた。
「そばにいてやれなくて、ごめんやったね。
一人でよう頑張ったね。」
また涙が溢れた。
夫はそれから、22時ごろ病院に来てくれた。
赤ちゃんを見たいと言ったので、助産師さんに連れてきてもらった。
私の作った産着に包まれたわが子。
夫は、赤ちゃんの姿を見て号泣した。
「ごめんな。ごめんな。
こんなにちゃんと手とか足とか指もある、
しっかり人間なんやな。
ほんまにごめん。ごめんな。」
夫も、夫なりに今日来れなかったことを悔やんでいた。
一人は辛かったけど、もう責めるのはやめようと思った。
しばらく泣いたあと、今後のことを二人で話しをした。
そして、日付が変わり、夫は帰って、私は久しぶりの眠りについた・・・