突然の別れと羊水検査(2019年12月15日 妊娠17週5日)

羊水検査までの間、やっぱりいろいろな思いがこみあげてくるものがあって、

仕事も手につかず、ミスしてしまいそうな自分がいた。

そんな自分が怖くなって、上司に相談し、しばらく休ませてもらうことになった。

それからは、子供たちと過ごす時間も増えて、子供たちの笑顔に救われる日々が続いた。

夫も、あれから少しずつ信頼を取り戻すかのように、私の体をより気遣うようになった。

そして、今日とうとう羊水検査の日。

そんな中、早朝から電話が鳴った。母からだった。

とても焦った声で、「お父さんが急変したって。今からお母さんも病院行くから、すぐ来て!

もともと持病で糖尿病から腎不全を患い、透析も数十年していた父。

それでも自分の好きな料理を食べる美食家で、母をいつも悩ませていた。

そんな父が数日前から体調を崩して、肺炎のため入院していた。

先日お見舞いにも行って、年末の話をしたり、私の体調を気遣ってくれたり、退院の話まで出ていた矢先だった。。。

どうして?なんで?

焦りながらも準備をして、義母に子供たちを任せて、病院に向かった。

どうか、どうか、間に合いますように・・・

行く道中、車の中で電話が鳴った。。。

母からのか細い声だった。。。

「間に合わなかったわ。お父さん。あかんかった・・・」

「とにかく今向かってるから、気をしっかり持って!」

そう言って、冷静を何とか保ちながら、高速に乗った。

父の顔を浮かべながら、涙がとめどなく溢れてきた。

前が見えなくなりそうで、何度もぬぐいながら運転した。

到着すると、父は静かに眠っていた。。。

母が来た時には心臓マッサージをしている最中で、もう助からない状態だった。

母がもういいですと伝えて、マッサージは終わり、今、父は眠っている。

姉夫婦も来ていて、いろいろな手続きをしてくれていた。

透析でお世話になっていた病院で、付き合いも長い看護師さんたちも、父の急変に気づけなかったようで、ショックと悲しみにくれているようだった。 

入院中の父のことを語りながら、一緒に着替えを手伝ってもらい、最後の挨拶をして、退院した。

何度か病院で経験していることとはいえ、自分の身内がこのような立場になったとき、

この虚しさは本当に何とも言えない気持ちだった。

あっけない。。。実感が湧かなかった。

亡くなってから、すぐに葬儀場を決めて、葬儀のやり取りや書類のことなど、いろいろな手続きがあり、

憔悴しきった母に代わって、姉夫婦がテキパキと動いてくれて、ありがたかった。

私は姉に一旦任せて、仕事途中で来てくれた夫とともに、羊水検査に向かった。

向かう車の中で、夫と父のことを話した。まだ実感が湧かなくて、まだどこかにいるような感じがした。

クリニックについて、羊水検査へ。

エコーをしながら、局部麻酔をかけて、太い注射針がお腹に刺さる。

夫はそばでずっと、手を握ってくれていた。

少しの痛みと、圧迫感、羊水を吸われている、今まで味わった事のない気持ち悪い感覚。。。

ずっと緊張していて、深呼吸を繰り返していた。

そんな中、なぜか父も、そばで見守ってくれているような気がした。

「大丈夫、大丈夫…」

検査は約30分ほどで終了した。

夫は仕事に戻り、私は葬儀場に戻って今後の予定を聞いて、一旦家に帰った。

帰ると、心配した様子の子供たちが待っていた。

どう説明しようか悩みながら、

「おじいちゃん、死んじゃった。お空にいっちゃった。

でもちゃんとお空で見守ってくれているからね。」と明るく言った。

長女と長男は「さみしいよ・・・」と泣いていた。

次女はまだわかっていなくて、「お空に行ったの?もう会えないの?いやや!」と駄々をこねていた。

でも、お腹の子のことも含め、またこの子たちに悲しい思いをさせなければいけない・・・

そう思うと余計に辛かった・・・。

長い一日が終わった・・・。

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